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01.15
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用事ついでに妙心寺内の真田信之の菩提寺を見てきました。
時期が来れば紅葉で真っ赤になる庭なんですが、まだ梢の先しか染まっていないのが残念。
毎年見に行っていますが、今年はどうも紅葉が遅いようです。

下にちょっと幸村と三成の小ネタと呼ぶのも烏滸がましいものをば。
たぶん、同じ状況でも、目の前にいるのが幸村と兼続と左近では、三成の接し方がまったく違ったものになると思います。

拍手ありがとうございます。
亀よりも動きの遅い管理人ですが、頑張ります。






 ぱちん、と弾けた炭が、ふわりと中空に火の粉を舞わせた。うずくまる幸村の黒髪に火の粉が映えて、すぐに消える。
 傍らに座した三成が、幸村の名をそっと呼んだ。
「幸村」
 白い面が、愁うような色を掃いて幸村を見下ろしている。
「大丈夫です、三成殿」
 どうにか、幸村は笑って見せた。本当は、あまり大丈夫ではないのだけれど。
 自分の腿から下が、まるで石でも詰めたかのように冷たく強ばっている。足の指をほんの少し曲げることも、確かに触れているはずの畳すら感じることもできない。
 張りつめたふくらはぎは、わずかでも動かせば弾けてしまいそうで―――身体の一部がほんの少し変調をきたすと、他の部分も狂うのだろうか。先ほどから、胃の腑を突き上げる不快感と悪寒が、幸村の額を嫌な汗で濡らしていた。
 忙しい仕事の合間を見て三成が付き合ってくれたというのに、この体たらくときたら。我が身の不甲斐なさに、幸村の顔が泣きそうに歪む。
「申し訳ありません、三成殿。こんなことになってしまって」
 苦しく続いた幸村の呟きに、いや、と三成が首を振った。向ける目元が優しい。
「気にするな。慣れていないうちは、こういうこともよくあるのだが……」
 ふう。
 言葉尻を濁して、三成が小さく吐息をついた。こめかみをゆるく揉んで、改めて幸村を見る。
 炉に掛けられた釜から立ち上る湯気が、三成の動作に合わせて揺れる。
 何度も言っていることだが、と前置きして、三成はほんの少し苦笑を含んだ声で続けた。
「幸村。我慢して足を吊るぐらいなら、その前に膝を崩せ」
 三成、幸村が茶の作法を身につけられない理由が、何となくわかった気がする。
 真面目な幸村、稽古の間は決して正座を崩そうとしない。確かに、その姿勢は評価するべきではあるが。
 だが、足が痺れても我慢し続けた挙げ句、毎度このように足を吊っていたのでは、ろくに稽古に集中できぬだろうに。

 あー、とかうー、とか畳に突っ伏して悶絶している幸村の後頭を見下ろして、三成はまたそっと吐息をつく。
 適度に作法にいい加減な左近を、次の稽古から付き合わせることにしようか。
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