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インテに参加なさった皆様、お疲れ様でした!!
時間ができたので行って来たのですが、イベントの雰囲気ってやっぱり楽しいですね。
憧れ小説書き様方にちょっとですが挨拶&差し入れできたのが嬉しかった。
素敵な本もたくさんGETできたので、これからしばらく楽しい日が続きそうです。
ほんと人様のさこみつって、どうしてこんなに素敵なんだろう・・・。
ここのところお役所関連の通知ばかり読んでいた目が喜んでいます。

WEB拍手、ありがとうございます!!
お礼と言っては何ですが、以下にちまちま書いていた小ネタをば。
鈍足もいいところですが、できるかぎり頑張っていくつもりです。




 良い酒が手に入ったから、晩酌に付き合えと。

 そう言ってわずかばかり唇を綻ばせたあるじの頭が、今は左近の膝の上にある。

 盃を交わしたのは、ほんの数献。お世辞にも上戸とは言えぬ三成だが、これだけの酒量で潰れるのは珍しい。

 くい、と盃を干した左近の弓手が、豊かに乱れる三成の髪を弄んでいる。

 酒の肴にするには上等。ときおり戦慄く目蓋の紫、水蜜桃の頬の色が少しばかりくすんで見えるのは、ふさりと長い睫毛の落とす影の蒼さのせいばかりではない。

 ―――疲れている。それも、かなり。

 三成の寝顔を見下ろす左近の瞳が、痛みを感じたときのように小さく歪む。

 こうして酒を酌み交わすのも、実に数ヶ月ぶりのことだ。左近とすら碌に顔を合わせることも出来ぬほど、このところの三成は多忙を極めている。

 

(相変わらず無理ばかりなさる)

 身じろぎしたせいでずれた羽織を三成にかけてやりながら、左近は思う。畳の上に投げ出された手首は、また細くなったようにも見える。

 仕事に打ち込む姿勢と集中力には頭が下がるが、多忙や疲れを自覚せぬのが三成の悪いところだ。

 いや、自覚はしているのだろうが、持ち前の矜恃と責任感がそれを言わせないのだろう。

 与えられた仕事はこなして当たり前。どれほど忙しくても、誰かの手を借りるのは良くないことだと思っている節がある。

 誰かの手を借りれば、その誰かがやるはずだった仕事を他の者がやることになる。皆の手を煩わせることになるなら――とは、三成の考えそうなこと。

 不器用な気配り、と言えば聞こえはよいが、そのために顔を蒼くしてまで働いている三成を、周りの人間がどのように見ているのかまでは、なかなか気づけないものらしい。

 確かに非才ではありますが、殿にとって、私はかほどに足手まといなのでしょうか?

 温和しい小幡助六郎が悔しげに吐き出した嘆きは、近習だけでなく家臣のほとんどが思っていることだ。

 これで三成が過労で倒れでもしたら、自らの不甲斐なさを恥じて出奔する者が出るかもしれない。

 左近自身、そうなれば己を許すことが出来ようか。

 こうやって疲れた三成を慰撫するだけが、自分の腕の価値ではないというのに。
 

 灯火に艶やかな髪を指の間から零して、左近は囁く。

「甘えるってのは、殿。何もこんな風にすることだけじゃないんですよ」

 肩の力を抜いて誰かに寄りかかるだけが、人に甘えると言うことではない。

 甘えればいいのだ。家臣たちに。信頼して何かを任せたり委ねたり、仕事をやらせてみればいい。

 きっとみんな、それだけで喜ぶ。主から何かを任されるということは、家臣にとって嬉しいことなのだから。

 最も、そのように家臣たちに“甘える”には、三成はもう少し努力しなければいけないのだろうけれど。

「ま、とりあえず俺に甘えることから覚えてもらうとしましょうかね――」

 掬い取った髪に、くちづけひとつ。

 わずかに身じろいだ三成が、むずがる赤ん坊のように喉を鳴らした。

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